AboutDXの定義と 実現のための プロセス
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01-01DXの定義について
経済産業省が発行する『DX推進指標とそのガイダンス』において、DXの定義は以下のように示されております。
DXとは「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、 業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」DX を実行するに当たっては、新たなデジタル技術を活用して、どのようにビジネスを変革していくかの経営戦略そのものが不可欠であるといえます。しかし、DXの定義に反してシステムを導入してビジネスが変革しないケースも多いです。それを防ぐためには、DXの定義に立ち返りビジネスを変革させる覚悟が重要になります。
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01-02DX実現のための
プロセス DXは単なる「システム導入」ではなく、「将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネス・モデルを創出・柔軟に改変すること」を指します。
したがって、まずは何をすれば将来の成長及び競争力の強化に繋がるのか明確にする必要があります。そのためには、経営ビジョンと戦略を明確にし、全社を巻き込んだ変革を行う体制を作る必要があります。
全社を巻き込んだ変革を行う体制が出来たら、社内データの活用にチャレンジし、その結果を踏まえてビジネスモデルを変革していきます。そうしたサイクルを回していきながら、顧客への価値を高めていく好循環を回すことをめざしましょう。
DX実現のためのプロセス(仮説:中堅・中小企業等版)
経済産業省 中堅・中小企業等向け デジタルガバナンス・コード実践の手引きを参考に作成
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01-03DX導入におけるよくある失敗例と対策
DX を実行するに当たっては、新たなデジタル技術を活用して、どのようにビジネスを変革していくかの経営戦略そのものが不可欠であるといえます。
しかし、ビジネスを変えないままシステムを導入して、結局何も変わらないケースも多いのが実情です。DX失敗を防ぐために大事なことは、DXの定義に立ち返りビジネスを変革させる覚悟を持つことに他なりません。弊社ではDXの経営ビジョンの構築及び戦略の策定・全社を巻き込んだ意識改革といった初期フェーズから、DXのためのシステム構築支援から分析まで、ワンストップでDX推進をサポートいたします。
DX導入におけるよくある失敗例と対策
定義 失敗例 対策 データとデジタル技術を活用 目的が曖昧なままデジタルツールを入れてしまう。無駄に多機能なものを入れる。 - 目的を明確化する
- うまくいくための設計を考える
- 使いこなせるものを第一にする
製品やサービス、ビジネスモデルを変革 既存業務を電子化するだけ。結果的に現状維持。 - 時間生産性等を向上
- 付加価値の向上
- データにより勘の経営からの脱却
業務そのものや、組織、プロセス、企業文化を変革 組織メンバーがDXに反発。組織体制が見直されず使われない。 - 経営陣が旗振りして行う
- データによる意思決定の浸透を行う
競争上の優位性を確立 入れて満足になって、経営に役立たない。コストが増えるのみ。 - 業績を上げるためのアクションに用いる
About2025年の崖と それを阻止するためのDX
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02-012025年の崖とは
既存システムの複雑化・ブラックボックス化(いわゆるレガシー化)の問題を解決できないことにより、2025年以降最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性のことをいいます。
既存システムのブラックボックス状態を解消できない場合には、以下のような問題が発生します。
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データを
活用しきれず、 DXを 実現できず -
今後、
維持管理費が 高騰し、 技術的負債が 増大 -
保守運用者の
不足等で、 セキュリティリスク 等が 高まる
長期間稼働しているシステムが直接問題になるわけではありませんが、システムの全貌と機能の意義がわからなくなることや、技術の老朽化・システムの肥大化及び複雑化によって、システムの中身がブラックボックス化することをレガシー化といいます。
経済産業省 デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ(2020.12)を参考に作成
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02-022025年の崖を阻止するためのDX
2025年の崖が発生すると言われている理由は、2025年を迎えると、21年以上稼働している企業の割合は60%になるとの調査が由来です。(日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査報告書2016」)
2025年の崖を防ぐためには、2025年までの間に、複雑化・ブラックボックス化した既存システムについて、廃棄や塩漬けにするものなどを仕分けしながら、必要なものについて刷新しつつ、DXを実現する必要があります。
About決算早期化とDXの関係
決算早期化を行うためには以下の4つがスムーズに行われる必要があります。
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情報を取得
- 必要な情報を
- 必要な時に
- 漏れなく
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情報を加工
- 然るべき場所で
- 然るべき方法で
- 無駄なく
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情報を保管
- あるべき場所に
- 使いやすい形で
- 漏れなく
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情報を活用
- 使いやすく
- リアルタイムで
- 部門を超えて
これらを実現するためには経理のみが業務を変革するのではなく、会社全体が連携して業務を変革すること、すなわちDXが重要になります。したがって、決算早期化とDXの関係性は、DXを実現することにより結果的に決算早期化が進むといった関係性になります。