コミケ開催日直前:同人作家が確定申告で痛い目に合わないためにやること

はじめに

2024年8/11(日)〜8/12(月)にはコミックマーケットが開催されますね!

筆者自身も同人誌の発売経験があること、団体で冬コミに参加予定(抽選が当たれば)なので、非常に楽しみなイベントになっております。

https://www.comiket.co.jp

しかし、ここで気をつけないといけないのが確定申告の準備です。同人誌はどうしても対面販売かつレジも無いことから、中々記録を怠りがちです。

そこで襲いかかるのは、確定申告です。

売上や在庫の記録などを行わないと適切な利益管理ができなくなるため、税務調査などに当たってしまった場合に以下のような指摘を受けかねません。

  • 100冊在庫が無くなってるみたいだけど、売上は80冊しかないよね?20冊分は売上計上漏れ?
  • 実は在庫が残っているみたいだけど、これは本体費用処理してはいけないんじゃない?
  • 在庫が無いみたいだけど本当に捨てたの?あげたの?利益ごまかすために隠しているんじゃない?

言いがかりとも言える指摘かもしれませんが、税務調査などを受けた場合に「それは違う!証拠がある!」と対抗出来る手段を持たないといけません。

本稿では、同人作家に対して確定申告で慌てない、仮に税務調査に当たる前に対応すべき策を説明します。コミックマーケット前日に掲載するので、行きの電車の中などで読んで頂けると幸いです。

確定申告とは

確定申告とは、1年間の収入や経費などを記録して、それらの金額を自分で計算し、税務署に税務申告を行う制度のことです。

同人作家の場合は、同人誌の売上から経費を差し引いた金額を、事業所得もしくは雑所得として計算を行います。

「同人活動の確定申告は利益が20万円超になったらだから、私には帳簿付けは不要です」という人もいますが、それは実は誤りです。

20万円超だということを証明するのはどうすればよいのでしょうか? 仮に税務署などからお尋ねがあった場合に、帳簿などの記録がないと説明のしようがありません。

したがって、実質的には以下のことを行うべきです。

  • 売上冊数の記録(この際に無料配布分・販売分の記録をすべてつける)
  • 在庫数の記録(同人誌の種類ごとに何冊残っているか、委託先に何冊出しているか)
  • その他経費などの記録(レシート、売り子などの報酬は出金伝票を記録)

行うべき対策

ここからは、具体的に同人作家が即売会で行うべき記録方法を

売上冊数は商品別に記録しよう

売上品は商品ごとに分別して記録しましょう!具体的には、販売した都度出品の記録をつけることです。新刊〇〇冊・既刊〇〇冊など、売れた都度商品数を記録しておきます。

油断してはならないのはセット売りです。数冊まとめて○○円とかになると、商品単価がズレることになります。それを防ぐために、あらかじめセット売りと単品を分けて開始残高を記録するとよいでしょう。

もし記録をしていない場合は、その気が無くても税務署の人から「消費数と売上が一致してないけど売上ガメてない?」と言われかねません。売ったらきちんと記録する。それは大原則です。

プレゼントした商品数も数えよう

コミケあるあるなのですが、隣のブースの人や友人に本を無料で配るケースがあるかと思います。そんな時にも配布した商品数を記録しましょう

税務調査では「売上脱いてない?」ということが調べられがちであるため、無料配布は「商品減ってるけど売上ないのはおかしいよね?これ売上隠してない?」と考えられてしまうのです。

そのつもりなくても証拠がなければ説明できないですよね(現にこうしたケースは非常に多い)。そのため、商品の配布もきちんと記録に残しましょう。

売上金には手をつけるな!

コミケでの醍醐味は買い物ですよね。同人誌の売上をそのまま買い物に使う…のはアウトです。

売上金に手をつけるのは「売上を抜いている」というのに等しいため完全にアウトです。

コンビニのレジ締めと一緒で、売上記録と入金額の一致は必ず確認しましょう。具体的には、売上金は撤収後にきちんと数えて、記録した売上帳と現金残高の照合をしてから使いましょう(会場で数えると盗難リスクがあるため気をつけましょう)。

どうしても買い物のための手持ちない人は、売り子から借りて、即座にLINE PayやPayPayに送金(記録が残る)するかなんかしてとにかく記録する。後でやると絶対忘れてしまいます!

印刷した部数と在庫は数えろ!費用になるのは売却分だけだ!

「領収書揃えてればなんとかなるでしょ?」と思う人もいるかもしれませんが、それだけじゃ甘いです。

同人誌の売上原価として費用になるのは、売れた商品の分だけです。

例えば、100冊の同人誌を合計50,000円で印刷したら1冊あたり500円かかったことになります。印刷所からの請求は50,000円でからと思うので、5万円をまとめて経費にしちゃう人もいるでしょう。

仮に50冊販売したとなると、50冊分の25,000円しか経費にできないのです。残りの50冊分は資産として在庫管理しないといけません。

「じゃあ経費にするなら売れ残りは捨てたら配れば良くない?」と思うかもしれませんが、そうする場合にもきちんと記録を残しておきましょう。じゃないと税務署に経費の水増しを疑われます。そうしたことを防ぐためには記録をしておきましょう。

売り子さんへの謝礼は伝票やメモをつけよう

コミケでは売り子さんに依頼をして、お礼に謝礼を払うことがあるかもしれません。しかし、謝礼については領収書を自ら出さないといけませんが、出し忘れてないですよね??

売り子さんの謝礼については、出金を自らしたということなので、出金伝票を出して記録をつけましょう。そうすることで、〇〇さんにいくら払ったという記録が残るため、説明がつきやすくなる傾向があります。出金にもきちんと記録を残しておきましょう。

さいごに

ここまで一読いただきありがとうございました。

今まで書いた内容を考えると「面倒くさいなぁ」と思ってしまうかもしれません。しかし、こうした対策を行うことで「突発的に嫌な思いをすることがなくなる」ことなります。

楽しく同人活動をするためにも、こうしたこと少しでも頭に入れて頂けると、より楽しめるかなと思います。私でよければ気軽に相談にのりますので、お気軽にお申し付けください!

私も今年の冬コミに同人誌を出す予定ですので(当たればいいなぁ)、会場でお会い出来ると嬉しいです!

おすすめ記事