利益を出す!管理会計体制Lv.1~資金繰り表~

はじめに

皆様は管理会計の体制を構築したいと思っておりますでしょうか?

いきなりですがみなさんは、資金繰り表を作成したことはありますか?

資金繰り表とは、将来の会社のお金の動きを予測するための表を指します。経営者は利益をとても気にするかと思いますが、実はそれ以上に資金繰りを気にする生き物です。会計上の利益とキャッシュは必ずしも一致するものではないため、その2つのズレを把握しないと資金ショートなどの問題が起こりかねません。

今回は、管理会計入門Lv.1として資金繰り表の作成を、準備から実際に作るまでみていきましょう。

~管理会計入門Lv.1~

ここでは、管理会計入門Lv.1ということで、資金繰り表を作成することから始めていきます。

基本的な社内資料ではありますが、銀行から借り入れを行うためにも用いる資料であるため、社内的にも対外的にも重要な表になります。

資金繰り表の定義と必要性

資金繰り表とは、現金収支の予測と実績を記録するために作成する管理表のことです。

資金繰り表を作成する理由は、資金ショート(現金不足により支払ができなくなる状態)を防ぐため・会社が使える現金残高を把握するためです。

会社は赤字でもお金が回っていれば倒産しませんが、現金が尽きると倒産します。そのため、現金残高が十分にあるか、どのくらいでキャッシュが尽きるのかを把握しなければいけません。

また、銀行融資を行う際にも資金繰り表は重要になります。審査において銀行が重視するのは「借り入れの必要性」と「返済見込」になります。資金繰り表はこれらの判断材料になることに加え、定期的に更新をしていることを示せれば、融資においてプラス働くため、更新し続けることがとても重要になります。

なぜ管理会計Lv.1が資金繰り表なのか?

ずばり、資金繰り表はどのステージの経営においても重要かつ効果が高いからです。

管理会計といえば、原価計算制度の導入や予算実績の作成と運用、作業工数の管理と高度な内容が想像されますが、いきなりこれらを実行するのは難しいですよね。

しかし、資金繰り表は、キャッシュという一つの側面に注目することから、直感的にわかりやすいかつ、経営予測や融資にも役立つことから、非常に効果が大きいです。

また、資金繰り表で将来を予測する過程で、予算や売上目標などを考えることが出来ることから、今後の予算づくりのきっかけになると思います。

そのことから、まずは資金繰り表から管理会計をスタートすることがオススメです。

資金繰り表の作成方法

ここからは、資金繰り表を実際に作成する方法を説明します。

1. テンプレートを入手する

資金繰り表を作成しようにも、どのように作成をすればよいのかわからないという声を良く聞きます。

そんな方は、まずテンプレートを入手しましょう。各銀行のサイトに行けば様々なフォーマットが入手できるかと思います。

例えば、日本政策金融公庫のホームページのなかに「資金繰り表」のテンプレートがあるため、こちらからダウンロードをするのが良いでしょう。このサイトでは資金繰り表の記載例及び作成手順が記載されているため、これを見習って入力するだけでそれなりの精度のものが作成できるでしょう。

2. 資金繰り表作成のための資料を集める

まずは現時点で、今月自分の会社がどれほどのものに支払いを行い、何で収益を得ているのか、固定で毎月・毎月支払っているものは何かを正しく書き起こしてみましょう。

正しく書き起こすためには、経営者の頭の中だけではなく、資料を各方面から収集して、収支をすべて洗い出すつもりでやってください。

その際に以下のような資料を集めておきましょう。

  • 通帳
  • 借入金の返済予定表
  • 売上予測と入金予測ができる資料
  • 支払予定表など(こちらは毎月の支払額をベースで使いましょう)
  • 税金の支払スケジュール(これは税理士などに聞きながら集めましょう)

3. 実際にデータを入力してみる

資金繰り表作成のための情報が集まったら、実際の資金繰り表に入力していきましょう。そうすることで、現在の収支が明らかになるでしょう。

そうしたら、実績値をベースに、将来の収益と費用の予測を入力していきましょう。そうすることで、どのタイミングで資金が必要になるか、支出が多い月がいつなのかがわかるようになります。

資金ショートしそうな月やキャッシュが足りなくなる月が出てくるかもしれませんが、早めにそれが判明していれば、融資を受けるなどの戦略を立てられるかもしれません。

4. 実績を踏まえて更新をする

資金繰り表を作って将来の予想を作成したとしても、その実績と対比しなければ絵に描いた餅で終わってしまいます。資金繰り表はあくまで予測のために作成するものです。

そのため、予測の信用性を高め、より現実的なものとするためには実績から逆算していく必要があります。この実績の数値は、月次決算から導き出せます。月次決算を行うことで、予測と実績の差を埋めることが期待できるでしょう。

資金繰り表を作成したその先

ここまでで資金繰り表を作成すると、将来の予測について考えるかもしれません。

そうしたら、次のステップとして、マーケティング戦略の分析や、売上計画の作成など、ビジネスに関する具体的な将来計画を作ることを始めましょう。

事業は行き当たりばったりだけでは上手く行かないことも多い・対外的に説明することで自分の頭も整理されることもでてくるため、計画をきちんと作ることが重要になるでしょう。

まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

本稿では、管理会計の第一歩として資金繰り表の作成のススメを行いました。資金繰り表を作ることによって、会社の将来予測に役立てることが出来るでしょう。

収支の内訳と将来について考えることは苦しいかもしれませんが、自社が経営を継続させていくため、躍進していくためには重要な参考資料となるでしょう。

会社の未来のために、ぜひ挑戦してみてください。

おすすめ記事