会社設立後の第一歩はスムーズな手続きから
会社を設立したら、すぐに行うべき手続きが数多くあります。特に、役所への手続きは早めに対応しないと、罰則や優遇措置を受けられなくなる可能性があるため注意が必要です。
この記事では、会社設立後すぐにに行うべき役所での手続を具体的に解説します。漏れのないよう、ぜひチェックリストとしてお役立てください!
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役所で行うべき4つの手続き
1. 登記簿謄本と印鑑証明の取得
まず、会社設立が完了したら法務局に行って、履歴事項全部証明書(登記簿謄本)と印鑑証明を取得しましょう。この2つの書類は、役所への手続や銀行口座の開設など、多くの手続きで必要になるため、それぞれ3-5部程度取得しておくと良いでしょう。
- 履歴事項全部証明書: 会社情報を公的に証明する書類。
- 印鑑証明: 法人の実印を証明するための書類(印鑑カードが必要)。
2. 税務署および都道府県税事務所への書類提出
次に、税務署や都道府県税事務所へ必要な届出書を提出します。
期限内に提出しないと優遇措置を受けられなくなる場合があるため、それぞれ忘れずに提出するようにしましょう!
提出書類一覧(税務署)
主に提出が必要な書類は以下になります。
書類名 | 提出期限 | 補足 |
法人設立届出書 | 設立後2ヶ月以内 | 必須書類。会社情報を税務署に登録するために必要です。 |
青色申告承認申請書 | 設立の日以後3月を経過した日 or 当該事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日まで | 必須書類といっても過言ではない。法人税の確定申告書等を青色申告書によって提出することの承認を受けようとする場合に必要(青色申告の場合には、各種の特典が受けられます。)。 |
給与支払事務所等の開設届出書 | 国内において給与等の支払事務を取り扱う事務所等を開設してから1か月以内 | 給与を支払うことになった会社は提出する必要があります。 |
源泉徴収の納期の特例の承認申請書 | 特に定められていません(原則として、提出した日の翌月に支払う給与等から適用されます。)。 | 給与の支給人員が常時10人未満の法人の場合、源泉税の納付を7月と1月の年2回で済ませられます。 |
定款の定め等による申告期限の延長の特例の申請 | 最初に適用を受けようとする事業年度終了の日まで | 申告期限を延長したい場合に提出します。 |
提出書類一覧(都道府県税事務所 or 市役所等)
書類名 | 提出期限 | 補足 |
法人設立届出書 | 事業を開始した日から15日以内(東京の場合) | 必須書類。会社情報を都道府県税に登録するために必要です。 |
法人税に係る確定申告書また申告の提出期限の延長の処分等の届出書 | 「定款の定め等による申告期限の延長の特例の申請」を提出してから速やかに | 申告期限を延長したい場合に提出します。 |
添付書類
以下の書類は、税務署への届出と同時に提出をする必要があります。
- 定款のコピー
- 登記簿謄本のコピー
3. 社会保険の手続き
会社設立後、従業員を雇用する場合は、社会保険の加入が法律で義務づけられています。
社会保険の関係が成立した場合は、以下の書類を速やかに提出する必要があります。
書類名 | 提出するとき |
健康保険・厚生年金保険 新規適用届 | 事業所を設立し、健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとするとき ※法人事業所で、被保険者となる者がいない場合(無報酬の役員しかいない場合等)は、適用事業所の要件を満たさないため、適用を受けることができません。 |
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届 | 従業員が健康保険・厚生年金保険に加入するとき |
4. 労働基準監督署への届け出
従業員を1人でも雇う場合、労働保険の加入が義務となります。この場合、事業開始後10日以内に以下の書類を提出しましょう。
必要書類
労働保険 | 届出先 | 主な書類 |
---|---|---|
労災保険 | 労働基準監督署 | 労働保険関係設立届、概算保険料申告書 |
雇用保険 | ハローワーク | 雇用保険適用事業所設置届、雇用保険被保険者資格取得届 |
会社設立後の手続きを効率化するためのポイント
- 提出期限を管理
どの書類も提出期限が定められているため、提出を忘れると大変なことになります。
クラウド会計ソフトに付属の会社設立ソフトでは、会社設立に必要な書類をまとめたチェックリストが用意されていることあるため、なるべく活用をすることがおすすめです。 - 登記簿などを多めに用意しておく
これらの事務手続きには、様々な書類を添付する必要があります。何度も役所に足を運んで書類を取りに行くのは効率が悪いため、なるべく利用してみる - 可能であれば役所に電話して問い合わせる
これらの書類の提出前に、役所に対して必要な書類を問い合わせたり、役所のHPを確認してみましょう。電話で問い合わせると意外と優しく答えてくれたりすることがあります。 - 困ったら専門家に相談
これらの書類手続は煩雑であり、すぐにでも事業を始めたい人にとっては手間になることもあります。面倒なことを避けたい人は、早い段階で税理士などの専門家に相談することがおすすめです。
弊社でも会社設立サポートを行っているため、もし不明点などがあればお問い合わせください。
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