経理の自計化を考えるタイミングとは?
経理の自計化を考え出すタイミングとして、会社が一定規模に達したら考える会社が多いかもしれません。
しかし、「いつがベストなのか」についてはインターネットで調べてもあまり出てこない情報ではないでしょうか。今回は深夜のテンションで、公認会計士である筆者がいろいろとアイデアを書いていきます。
数名の段階では考えなくてもOK
事業を始めたばかりのタイミングでは、社長が経理を兼務する方法も、税理士に外注をする方法どちらでも構わないと私は思ってます。
初期段階では経営者が全て目の届く範囲で経営が可能であること、管理すべき対象はほぼ売上と契約管理に集約されるので、それらを目標にがむしゃらに頑張れば結果が追いつくことが多いためです。
正直な話、自分で全てを管理したいタイプであれば自分で経理を行えば良いし、面倒なお金のことは税理士に任せたいと考えるタイプであれば外注すれば良いと思います。
個人的には、簿記の知識がない状態で自計化をすると後ほどメンテナンスに苦労をする可能性があるため、信頼できる専門家にお任せする方が正直楽ではあると思います。
10名くらいになったら専任を置くことを検討
会社が順当に成長して人数が増えてきたタイミングであると、事業において考えることが増え、メンバーの管理も必要になってくることから、社長自らがバックオフィス業務を兼務することがキツくなると考えられます。10人を越えてくると様々な法規制に対応しないといけないことから、考えることが多くなります。
たとえば、従業員が10人以上になると、以下のような義務が生じます。
- 就業規則の設置義務
- 源泉所得税の毎月納付義務化
- 衛生推進者等の設置
これらのみならず、以下の情報などを従業員から集めるための体制などを構築しないといけません。
たとえば、以下のような情報を従業員から集めるケースがあります。
- 勤怠データ
- 経費精算
- 請求書
- 稼働データ
- 営業データ
社内から適切に情報を集めることは、従業員数が10名を越えてくるころになると、徐々に煩雑になってきます。また、こうした社内情報の収集は、外部メンバーで全て対応することは難しいことから、社内メンバーで対応することが求められます。
全員がちゃんとこれらの情報を出してくれれば問題ないのですが、学校のクラスにも絶対提出物を出さない人とか、グループワークで課題をやってくれない人っていましたよね? ですので、ある程度人数が増えると催促の必要性が高まってくるのは言うまでもありません。
したがって、このくらいの人数規模になると、社内情報を集めるためのメンバーをアサインする必要が出てくるでしょう。
20人になるくらいまでに社内ルールを構築
バックオフィス業務や資料収集を行う人をアサインしたら終了というわけではありません。
人数規模が増えてくるにつれて、それに応じた仕組みやシステムを導入しないと、いずれ業務が詰まってしまいます。
たとえば、10人規模の会社の場合はExcelで出勤簿をつけたり経費精算を行っていたとしても、10名のデータを目視で確認することはそこまで難しくないかもしれません。
しかし、それが50人、100人と増えてきた場合は、単純に工数が人数比で増加していくことから、結局業務量は際限なく増えていくことになるでしょう。
それを防ぐためには、人数が増えても何とかなるようなルール作り・システム構築が必要になると考えられます。それらを構築するタイミングとしては、人数が本格的に増えだす前、つまり20人になる前にある程度仕組みづくりを行うことがオススメです。
また、ルールを構築する際には、今後人数が増えても相応程度対応できるような拡張性のある設計にすることが大事です。例えば、以下のようなものが考えられます
- 人数が増えても工数がさして変わらないようなシステムを入れる
- 承認者を1名のみではなく複数部署の人が出来るようにする
- 将来的なプラン変更により、人数増加やワークフロー・部門対応など出来るようなシステムにする
これらの仕組みづくりのコツは「部分最適にならず、全体最適を目指すこと」です。システム構築を行う際には、業務の全体像を理解している人が主導で行うことが大事です。
さいごに
ここまで、「経理の人員確保や仕組みづくりはどのタイミングで行うのがベストなのか」と、思っていることをバーっと書き出してみました。
他の記事みたいに作り込んでいるものではないですが、箸休めのような気持ちで読んで頂けると幸いです。質問等ありましたら、気軽にTwitterや問い合わせフォームよりご連絡ください。