StepIPOを目指す前の事前準備
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01-01ショートレビューの実施により会社の課題を洗い出す
上場準備の課題
- ビジネスの確立
- 決算体制の整備(決算早期化・予実管理体制の整備)
- 内部管理体制の整備(労務・コンプライアンス・ガバナンスの整備)
- 資本政策の策定(上場までのエクイティストーリー等)
- 関係会社の整理
- 関連当事者との取引の整理
これらの課題はその場しのぎで解決出来るものではなく、内容によっては解決のために年単位で時間がかかるケースも多いです。対処すべき課題を識別出来ないまま上場準備を先走った結果、監査法人や証券会社との契約が締結出来ない監査難民になってしまう・監査法人や証券会社と契約を結んだにも関わらず何年経っても次のステージに進めなくなる(いわゆる永遠の〇〇期)など、スムーズにIPOを達成できないケースなども多く見かけてきました。
それを防ぐためには、今の会社の現状を適切に把握し、解決すべき課題の優先度をつけることが重要です。 -
01-02IPOのために優先すべき課題と解決方法の共有
IPOは経営者やコンサルタントの力だけではなく、会社が一丸となって課題に向き合っていくことが必要です。そのため組織が抱える課題や、会社の人が見えていない業務の全体像を共有して、組織全体が協力する体制を作らなければいけません。
弊社では、ボトルネックを可視化することで、認識のズレやトラブルを防ぐようにしていきます。 -
01-03社内体制整備のコンサルティング
IPOを目指すための課題を識別し、解決方法がわかったとしても、実際に解決に進まなければ意味がありません。弊社は業務プロセスの見直しやDX推進に強みがあることから、企業の持つ様々な課題解決のためのサポートを行うことが可能です。
StepIPOプロジェクトの始動
- 決算の早期化
- 経営管理体制の構築
- 取締役や監査役によるガバナンス体制構築
- 資本政策の立案及び実行
- 事業計画の策定及び予実分析
- 監査法人や証券会社との契約
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02-01決算体制の整備
IPOをするためには、申請期の2期間前から監査法人による監査証明が必要となります。監査実施のためには最低でも以下のような体制を整備する必要があります。
Must
- 自社で経理を締められる人材と能力が揃っていること
- ビジネスの根幹となる数値の確定に必要な内部統制が整備されていること
- 企業会計による会計方針が確定していること
- 会計処理の根拠となる資料が検証可能な状態で整理されていること
上場準備を始めるまでは、経理を中心とした管理部へリソースを割き切れないことも多いですが、このタイミングを機に人員の採用及びオペレーションの見直しを中心とした管理体制の強化を行うことが求められます。
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02-02ショートレビューの実施及びフォローアップ
ショートレビューとは、監査法人やアドバイザーがIPOに向けての課題抽出を行うものです。ショートレビューで識別された課題は、優先順位をつけて順次改善を行い、監査法人等によるフォローアップを受ける必要があります。フォローアップしなければならない事項は非常に膨大なケースが多い上に、中には専門的な課題も多いため、専門家のサポートが必要になるケースもあります。もしフォローアップが不十分である場合、その次のステップに進めなくなることもあるため注意が必要です。
StepIPOのための体制整備及び運用
- 内部管理体制と内部統制報告制度への対応
- ガバナンス体制の構築
- J-SOX対応(IT統制を含む)
- 決算早期化及び月次決算の実施
- 予算管理体制の構築
- 資本政策の立案及び実行
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03-01内部管理体制と内部統制報告制度(J-SOX)への対応
Step03のフェーズからは、上場企業と同様の管理体制の整備及び運用に入る必要があります。そのために必要なものは以下になります。
Must 01経営管理体制の整備及び運用
- 就業規則や業務マニュアルの整備及び運用体制
- 各人・各部署間の相互牽制を主眼として各業務に組み込まれたオペレーションの構築
- 規程やオペレーションの有効性を確かめるための内部監査制度
Must 02コーポレート・ガバナンスの確立
- 取締役会・監査役会・会計監査人等の設置
- 取締役会等の各種機関の運営状況確認(議事録の整備や開催頻度など)
- 監査役監査の適切な実施
Must 03J-SOXへの対応
- IT統制を含む内部統制構築支援
- 内部統制に係る三点セットの作成
(業務記述書・フローチャート・リスクコントロールマトリクス) - 内部統制要件と業務効率化を両立したオペレーションの構築
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03-02決算早期化と月次予算管理
上場企業では、各種開示制度や予算統制の観点から、翌月10日前後には月次決算を確定させ、予算実績差異分析を行い、取締役会等に報告を行うことが必要になります。そのためには、各部署から決算確定に必要な情報を素早く収集するプロセスを整備及び運用する必要があります。
こうしたプロセスを整備運用するためには、経理部のみではなく、全社を巻き込んだオペレーションの見直しが必要であり、そのためには全社的な目線を持った人材が関与する必要があります。 -
03-03資本政策の立案
資本政策とは、資金調達や従業員インセンティブ等の目的を達成するために、株式等の発行タイミング、発行数、発行価格について計画することを指します。資本政策は後戻りが出来ないものであるため、慎重に検討して実行する必要があります。
効果的なファイナンスを行うためには、上場時のバリュエーションから逆算して行うことが望ましいです。
Step直前期から申請期まで
- 内部統制の整備及び運用
- 内部監査の実施
- 上場申請に必要な書類の作成
- 申請作業
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04-01N-2期で整備したオペレーションの運用
証券会社及び東証の審査では、整備したオペレーションの運用証跡も含めて厳しくチェックされるため、この時期には不備なく問題なく運用できるようになる必要があります。
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04-02上場申請書類の作成・整備
N-1から申請期にかけては、上場申請書類として以下のような書類を作らなければなりません。上場申請の書類は非常にボリューミーかつ専門的な知識が求められるため、専門家の知恵を借りながら作り上げることをおすすめします。具体的には下記の申請書類の作成が求められます。
- 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)
- 新規上場申請のための有価証券報告書(Ⅱの部) or 新規上場申請者に係る各種説明資料
- コーポレート・ガバナンスに関する報告書
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04-03各種審査対応
N-1期の終わりから申請期には、証券会社及び証券取引所から上場審査を受けるフェーズに進みます。証券会社の審査は、主幹事証券が株式引受の観点から証券市場に株式を流通するのに値する株式かどうかを判断するために実施される審査となります。具体的には、上場申請会社に対する書面による質問、その回答に基づく上場準備担当者などへのインタビュー、監査法人・経営者・監査役等との面談などが実施されます。証券会社は引受責任を負うことになるため、質問対応について回答のみならずエビデンスの提出等も細かく求めてくるなど、上場に耐えうる企業か判断するため厳格な審査を行います。
証券会社による審査が完了したら、証券取引所による上場審査が始まります。上場審査では、株式数や時価総額等などといった定量的な基準である「形式要件」とガバナンス等を問われる「実質審査基準」の2つの観点から審査が行われます。