クラウド会計をちゃんと使え

はじめに

※この記事は、ぐちゃぐちゃなクラウド会計ソフトに怒りを覚えた人のツイートを見て思いつきで書きました!

クラウド会計ソフトを導入する会社は年々増えており、スモールビジネスにおいては欠かせなくなったと言っても過言ではありません

しかし、公認会計士・税理士としてクラウド会計ソフトを利用している会社の支援に入ったりすると「クラウド会計ソフトで作られたぐちゃぐちゃな帳簿」という状況をよく見かけます。

ぐちゃぐちゃな帳簿は、融資や出資、IPOのための大きな障壁になるケースも多いため、なるべくそうならないように早い段階から意識する必要があります。

そこで今回は、クラウド会計をちゃんと使えというテーマで開設を行います

クラウド会計をちゃんと使え

クラウド会計を入れたら楽になるは間違っている

「クラウド会計ソフトを使えば経理の知識がなくても大丈夫!」という謳い文句を出している会社もあるけれど、そのためには前提があります。

経理の知識が無くても出来るためには

  • 会計ソフトが求める正しい使い方をきちんと知ったうえで
  • 不明点があればチュートリアルやドキュメントをきちんと読んで自己解決を行い
  • 確定申告に関する基礎知識などを入門書を読みながら理解できる

という前提が求められると筆者は考えます。「当たり前のことでしょ!?」と思うかもしれないが、本業で忙しい人にとっては中々難しいのが現実です。

独立開業した当初であれば頑張って調べる余裕もあるかもしれないが、事業が軌道に乗ると経営者は基本的にすぐに忙しくなってしまうことから、自ら調べながら記帳を行う余裕がなくなります。

その結果、ぐちゃぐちゃな帳簿になって融資などが受けづらくなってしまうのです。

ぐちゃぐちゃな帳簿の実例

①預金残高が合わない

初っ端からまじで!?と思うかもしれないですが、預金残高が合わないことはあるあるです。

クラウド会計の連携ミスなのか、記帳のミスなのかわからないですが、預金残高が銀行通帳と合わないことはあるあるです。

クラウド会計を利用しているから合うはずだとタカをくくらず、月次決算や年次決算できちんと預金通帳と照合をしましょう・・・!

②債権債務の残高が合わない

これが一番根深い問題になりかねません。相手先別の債権債務の残高が合わなくなり、結局誰からいくら回収をするか不明になってしまいます。

IPOを目指すタイミングで特にこの問題が顕在化することが多く、不明残高の発生要因などを過去から遡って追っていく必要が生じます。このトレース作業はかなりの時間と労力がかかることから、忙しい社内の人だけでは対応が難しいことも多いため、思わぬIPOの障壁になりかねません。

損益計算書は期を跨いだらゼロになりますが、貸借対照表は翌年度も引き継ぐことになることから、きちんと残高を押さえないとどんどん不明残高が蓄積して取り返しのつかないことになります(実際にそうなる会社もよく見かけます)。

③不明な金額は全て雑損

帳簿ででてきた不明残高を、全て雑損や雑収入といった勘定で処理するケースも多いと思います。

実際のゴミであればまだ大事ですが、捨てちゃいけないものを捨ててしまうケースも実は多々あります・・・。その結果、②で示した不明残高が発生するため、帳簿残高がおかしくなってしまいます。

クラウド会計をどうやって使うか

そこでは、クラウド会計ソフトを上手く使うための最低限のルールについて解説を行います。

特に残高の管理とは重要なので、ここはちゃんと意識してほしいです・・・!

①まずは全ての口座を連携しろ

これは基本中の基本である!クラウド会計を入れたなら真っ先にやってほしいと言っても過言ではない。

預金残高を自動連携して合わせにいくのがクラウド会計ソフトを入れる最大のメリットであるため、これをやらないという選択肢はない!ドラクエ5でピエールを仲間しないという選択肢がないくらい重要である!

事業で使っている全ての口座・クレカを全て連携することで、とりあえず入金・支払いに関する大部分の出口を把握することが出来るため、最低でもここはクリアしてください。

何ならクラウド会計に連携している銀行口座を開設することから始めるのが重要まであります。

②リアルタイムの消し込みを行え

口座連携を行ったら、なるべくリアルタイムで消し込みを行ってください。

クレカの使用・入金・出金などはなるべくリアルタイムで記帳して、宿題を残さないようにしましょう。一人社長で経理が兼任である場合は毎日消し込みを行うのは大変でしょうが、なるべく溜めないようにしましょう。

このときに大事なのが、債権や債務の消し込みをリアルタイムで行うことです。売上計上と入金の間にラグがある場合、きちんと計上した債権を消し込む作業が必要であります。消込を行わない帳簿がぐちゃぐちゃになる帳簿といっても過言ではありません。消込を行う際に重要な取引が以下になるので、クラウド会計を利用するときには注意しましょう。

  • 外注費の債務認識→支払消込
  • 請求書の発行→入金消込
  • クレカ残高の口座引き落とし

③残高照合をきちんと行え

これが一番のキモになる。会計ソフトは、債権債務等の残高をきちんと押さえる必要があります。例えば、売上債権の未決済残高(将来入金される予定の金額)、仕入債務のみ決済残高(将来支払う必要のある予定額)などが照合すべき残高の例である。

経験上ですが、中小企業の会計システムでは債権債務の残高がぐちゃぐちゃになるケースが非常に多いです。例えば、売上の発生と消し込みをいい加減に行った結果、得意先ごとの入金予定額や売上額などがトレースできなくなり、永遠に不明残高が帳簿上残ってしまうことなどがこれにあたる。

仮に販売管理システムや購買管理システムを利用しているなら帳簿外で管理できているなら問題がないが、小規模企業ならせいぜいExcelで支払予定日を個別管理していることが多く、預金の入出金と紐づけて残高検証を行わないと、誤入金や未入金に気づかなくなるケースが多くなる。

余談であるが、freeeなら、取引の発生と消し込みをワンセットで行うことが出来るから、きちんと「取引」を使って入力しよう。「freeeが使いづらい・・・」といって振替伝票で入力を行うと残管理が出来なくて辛くなる。個人的な感想にはなるが、振替伝票とかめちゃくちゃに使いまくってfreeeが一番カオスだと感じる・・・(よく見かけるけど)。

④他のシステムと連携をとにかく行え

企業のビジネスは非常に多岐に渡ることから、会計システムだけで全てを完結させるのはしんどくなるケースが多い。そこで、業務システムと連携を行うことで、日常業務をこなした結果自動的にクラウド会計への入力がされる体制を作ることが出来るようになります。例えば、以下のような体制をつくるのがよいでしょう

  • 飲食店であればPOSシステムと連携をしてみる
  • 受託開発なら請求書発行システムから自動で売上仕訳が立つようにする
  • 給与計算結果が自動的に会計ソフトに反映されるようにする

会計業務はビジネスの結果を示すためのどの業務プロセスも結局経理につながるため、それだったら最初からつなげる前提でやるのが望ましいです。

また、ある程度事業が大きくなると人力での連携だけでは限界がくることが多くなることから、早い段階からシステム化を進めていき体制を整えていくのが大事と考えます(このあたりは結構闇が深くなりがちです)。

まとめ

ここまで読んで頂きありがとうございました。

経理人材にとっては「当たり前だろ!?」って思うことも多いかもしれないが、当たり前のことを当たり前に出来るだけで大きな差別化になるといえます。特に自分で記帳を行っている方などは、③で説明した残高管理を意識してみるだけで役に立ちます。特に帳簿の綺麗さは融資や出資の受けやすさにもダイレクトに響くことから、早い段階から意識をしておくことが大事です(後から直そうとしても取り返しがつかなくなるケースが多いため)。

したがって、クラウド会計ソフトに限らず、会計ソフトの基本的な使い方からちゃんと学ぶか、ちゃんと教わりながらやるのがオススメです!

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