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経理から「退職したい」と言われた日から経営者がやるべきこと | コラム | 合同会社オントロジー

経理から「退職したい」と言われた日から経営者がやるべきこと

経理からの退職の申し出は、突然やってくる。

「来月末で辞めたいのですが」。その一言を受けた経営者の頭の中に、一気に不安が広がる。月次決算は誰がやるのか。税理士との窓口は誰が担うのか。給与計算は誰がやるのか。支払いの手続きはどうするのか。

この記事では、経理担当者の退職直後に経営者が何をすべきか、そして同じことを繰り返さないために何を変えるべきかを整理する。

経理担当が辞めると、何が止まるのか

経理担当者が抜けると、会社の中でこんなことが起きてしまう。

1. 支払業務が止まる

仕入先への振込、経費精算、毎月決まった支出。誰がどの口座からいつ振り込むかを把握していた担当者がいなくなると、支払業務全体が機能しなくなる。どの請求書をいつまでに処理するかすら、把握できなくなることがある。

2. 月次決算ができなくなる

帳票のとりまとめ、会計ソフトへの入力、試算表の出力といった月次決算業務の担当者が消えることになる。これらを担当者1人でこなしていた場合、翌月から即座に業務が止まることになる。特に月次決算で業績を把握し続けていた会社にとっては、業績が一気に管理できなくなる。

3. 給与計算が止まる

勤怠システムから給与への変換、控除計算、振込指示といった業務が属人化されていると、手順を知っている担当者がいなくなった時点で給与計算ができなくなる。給与の振込が遅れた場合には従業員から大きく不信感を持たれることになるため、これだけは絶対避けねばならない。

4. 税理士・会計事務所とのやり取りが止まる

毎月の資料送付、問い合わせ対応、決算時の窓口などについて担当者個人の関係で動いていた場合に、税理士とのコミュニケーションが停止することがある。

これらのダメージの大きさは会社の規模に反比例するのが実態である。中小企業ほど経理担当が1人という体制が多く、その人が抜けると業務全体が止まることになるからだ。

特に、IPO準備中の会社であれば、IPOのための内部統制や管理体制が大きく崩れることになることから、上場スケジュールそのものに影響することもある。

そして退職が決まった瞬間、多くの経営者が初めて気づく。「この会社の経理業務、誰も全容を把握していなかった」という事実に。属人化の問題は、その人がいなくなった後にしか表面化しない。

退職が決まったらやること

退職が決まったら、以下の4つを最優先で動かす必要がある。

① 経理業務の棚卸をして、一覧で可視化する

前任者に、月次・年次・随時の業務をすべて書き出してもらう。「いつ」「何を」「誰と連携して」やっているかを一覧にする。この一覧がないと、どこから手をつければいいかも、何が止まるかもわからない。業務一覧は引き継ぎの基礎であり、次の担当者の採用要件を設計する材料にもなる。

なお、これらの引き継ぎはいくら可視化したとしても、完璧になることはない。文章では表しきれない見えない仕事などは完璧にできるわけがない。

② バックオフィスが使っているシステムと権限を洗い出す

会計ソフト、給与計算ソフト、勤怠システム、インターネットバンキング。会社として利用しているすべてのシステムを一覧化する。退職者個人のアカウントに依存している場合は、会社管理のアカウントに切り替える手続きを取るなど、業務が止まらないことが重要である。特に銀行口座の担当者変更手続きは早めに進めることが大事である。担当者が退職して支払業務がストップしてしまうと致命的であるためだ。

③ 社内での一次対応体制を組む

完全な後任が決まるまでの間、誰がどの業務を担うかを決める必要がある。「社長が確認する」「他のスタッフが補助する」でも構わない。何も決めないまま放置すると、支払漏れや申告遅延が静かに積み上がる。まずは「当座をどう回すか」を先に決めることが肝心である。

なお、あくまで当座であることが重要である。間違っても「何とかなってる!」と思って当座の対応を常態化させると、引き継ぎを受けた担当者まで退職することになるからだ。

④ 社外のアウトソーサーへの依頼を検討する

社内だけで対応しきれない場合は、税理士事務所や経理代行サービスへの依頼を早めに検討する。記帳・試算表作成・給与計算など、業務単位で依頼できる体制を持っている可能性がある。こうしたアウトソーシングは、人が決まるまでのつなぎとして有効であるし、場合によっては専任を雇わなくても大丈夫になるケースもある(規模や会社の状況によって大きく異なるため、何がベストかは専門家への相談を推奨する)。

弊社(オントロジー)でも経理アウトソーシングの対応を行っている。詳しくはこちら

引き継ぎで失敗しないために

1. 完璧な引き継ぎはありえないことを理解する

担当者が1人だった場合、ノウハウがその人に集中しているため、どれだけ丁寧に引き継いでもぽっかり穴が空く。「やってみたら手順に書かれていない判断が必要だった」という事態は必ず起きる。そのため、完璧を目指すのではなく、まずは何とか持ちこたえるレベルの合格点を取ることを目標にしよう。

2. 口頭でしか伝わらない細かいことを、できる限り聞き出す

「このベンダーは毎月25日払いじゃないと怒る」「この勘定科目は税理士の指示でこう使っている」という暗黙知は、経理担当者に聞かないとわからない。退職期間中に経営者が時間を確保して、イレギュラーな事例を中心に聞き出すことが重要である。

3. 「なぜそうするかわからない業務」は、あるべき姿から考え直す

実のところ、前任者のやり方をそのまま引き継ぐ必要は必ずしもない。理由の説明がつかない業務は「ただ何となくやっているだけ」というケースも多く、実は不要な業務である場合も多い。そうした業務の見極めのために、外部の専門家(税理士・会計士)に「本来どうすべきか」を確認してから判断したり、現場とコミュニケーションを取りながら業務の是非を問うのがよいだろう。

4. 外注に頼む場合も、完璧を求めすぎない

アウトソーサーも最初から全業務を完璧に実施することはできない。最初の1〜2ヶ月は「業務が回ること」を合格点とし、精度は徐々に上げていくことが大事である。

厳しいことを言うと、誰でもきちんと業務をこなせるオペレーションがあるならば、経理担当者が一人退職しても何とかなるはずである。アウトソーサーを用いて一時しのぎを行うのと同時に、業務の見直しを行うことが望ましい。

採用と同時に仕組みを見直す

新しい担当者を採用することは急務だが、仕組みを変えないまま採用しても同じ問題が繰り返される。採用と並行して、以下の3点を見直すことが望ましい。。

1. 経理業務の全容を整理する

前任者が「全部ひとりで抱えていた仕事」が本当に経理担当の仕事なのかを考え直すことが大事である。本来は他の部門や担当者がやるべき業務が経理に集まっていたケースは意外と多かったりする。また、経理に対する情報連携プロセスをきちんと見直して、社内の情報連携が適切に行われるような体制を作ることが望ましい。

2. 退職理由を正直に見る

「一身上の都合」で済ませると、同じ問題が繰り返される可能性が高くなる。そのため、退職理由について可能な限りヒアリングを行い、業務量が多すぎたのか、改善提案が通らなかったのかを深く掘り下げたうえで、業務内容を見直す必要がある。退職を反省に活かすことがサスティナブルな成長に悪化せない。

3. 経理担当の退職を「仕組みの問題」として捉え直す

もちろん経理担当者を採用することはやるべきである。しかし、採用して仕組み改善を後回しにすると、同じループに入る可能性が高い。退職ループを止めるかどうかは、この機会に仕組みを変える意志があるかどうかにかかっている。

「何から手をつければいいかわからない」「仕組みの整え方がわからない」という場合は、専門家に相談することも選択肢のひとつだ。弊社(オントロジー)では、経理体制の整備から業務の可視化・アウトソーシングまで対応しているため、もし何かある場合はお気軽にご相談ください

アウトソースを活用するときのコツと注意点

経理担当が辞めた直後の選択肢として、税理士事務所や経理代行サービスに業務を頼む方法がある。月次の記帳から試算表の作成まで代行してもらえるケースもあり、人が決まるまでのつなぎとして有効だ。

ただし、アウトソースを使う際には以下の3点に注意が必要だ。

1. 頼む範囲を最初に明確にする

アウトソーサーに「なんとかしてください」で丸投げすると、費用が想定外に膨らむだけでなく、品質が担保されないことがある。「月次の記帳と試算表の作成まで」「給与計算は別途」など、依頼範囲を最初に決めることで、料金や仕事のスコープで困ることが少なくなる。

2. 社内に経理の判断軸を持つ人を置く

急なアウトソースを求める会社は、社内に経理の全体像を把握している人がいない。業務の全体像を把握したうえで、ここがボトルネックであると社長とコミュニケーションできる人間を置けるのが理想である。もちろんそういう人がいない場合には、その点をカバーしてくれるアウトソーサーを探すのが望ましい。

当社は業務オペレーションの構築に特化しているため、もし興味のある方はお気軽にご相談ください。

3. アウトソースは仕組みの代替にはならないことを理解する

外部に任せることで業務は回る場合もある。しかし社内の業務設計が整っていなければ、アウトソース先も判断に困る状況が続いてしまうことも多い。そのため、外部への依頼をしながら、社内の仕組みの整備を並行して進めることが望ましい。

まとめ

経理担当が辞めた日から、経営者は「仕組みのなさ」と正面から向き合うことになる。

まず起きることを把握し(支払・決算・給与・税理士対応の停止)、退職が決まったら4つを動かす(業務の可視化・システム権限の確保・社内の一次対応・外部アウトソーサーへの依頼)。引き継ぎは完璧を求めず合格点を目標にし、口頭の暗黙知を引き出すことに時間をかける。採用と同時に仕組みを見直さない限り、退職ループは繰り返される。

「何から手をつければいいかわからない」という場合は、お気軽にご相談ください。

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